北米報知 2012年8月15日34号
バングラデシュ出身のアドナン・マームッドさんが09年に共同で起ち上げた非営利団体「Jolkona(ジョルコナ)」。ベンガル語で「水の滴」を表し、規模に関わらず、支援することで人をつなげ、大きな影響を与えていくという思いが込められている。
現在、ウェブサイトで世界20カ国から日本の7つを含む120以上のプロジェクトを紹介、支援金を募っている。次代の起業家型リーダーの育成に取り組む非営利団体「ETIC」による震災復興を目指す起業家支援プロジェクトの紹介が現在、期間限定で行われている。
バングラデシュで生まれ育ち、米国で大学院を修了したマームッドさんがマイクロソフトに就職したのは8年前。ジョルコナ起業のきっかけは5年前の帰国のときだったという。
「母国で30代の男性がわずか数ドルを用意できず、息子に十分な食料を与えられない結果、その子どもが亡くなっていくのを目のあたりにしました」
何もできなかった自分の無力さと、募金の実態にも疑問を持った。少額募金でも人を助けることができる――。ジョルコナを起業した際、若者の参加を重視し、5ドルという少額の募金を可能とした。
「若い人の考え方を変えたい。そのためには少額の募金でも世の中に影響を与えるということを証明する必要があります」
募金先はジョルコナによる審査を受け、選ばれた団体となり、それぞれ寄付の用途を知ることができるという。対象は米国内の非営利団体か、国外でも米国団体の支援を受けている非営利団体で、活動状況や推薦状や財務状態を書類で審査される。基本的には1週間以内で認可の是非がされるという。
プロジェクトはウェブサイトで地域、テーマ、募金額、募金累計額によって検索でき、募金は全額が支援したい非営利団体にあてられる。ジョルコナと契約した非営利団体は、一定額以上の募金提供者に対し、ジョルコナのホームページ上と募金提供者のEメールに募金用途の報告義務がある。