AsiaX(アジアエックス) 2012年08月20日

 シンガポールの都市景観のニューフェイス、ガーデン・バイ・ザ・ベイの一部が2012年6月末に開園しました。

毎晩7時45分と8時45分に光と音のショーで彩られる「スーパーツリー」。園内は、午前2時まで存分にそぞろ歩きできる

 シンガポール政府の公共政策として、新都心マリーナ・ベイエリアの101ヘクタールの区画をウォーターフロント・ガーデンにするという壮大な計画のもと、約5年をかけて54ヘクタールを占めるベイ・サウス・ガーデンが完成しました。

 マリーナベイサンズやシンガポールフライヤーなどを背景に、2つの巨大な貝がらのようなガラスドームの冷温室や、スーパーツリーと言われる人口樹が立ち並ぶ眺めはフューチャーリスティックで、初めて目にする人には、やや奇想天外な印象をも与えるかもしれません。

ベイ・サウス・ガーデン内でもひと際目立つ「スーパーツリー」

 全体のマスタープランを手がけたのは、公共スペースや国立公園などの設計を数々手がけてきたイギリスの建築事務所、グラント・アソシエイツ。持続可能な自然環境のための仕組みを取り入れるプロジェクトを得意としています。

 今回設置された、一見巨大なオブジェのような高さ25~50メートルもあるスーパーツリーは、平面的な庭園に高さのある構造物を加えることで、庭園のデザインに変化を持たせるという役割を担うほか、外観からは想像もつかないユニークな機能もあります。

 園内に18本あるスーパーツリーは、それぞれコンクリートの円筒を軸とし、それを鉄パイプの透かし網が包むような構造を持ち、大きな傘を反対向きに広げたような頂上部は平坦で、白い膜のような覆いが被されています。

 木の幹を包む鉄パイプの構造には、比較的手のかからないアナナス科の植物やシダ類、ランなどが装着されており、設置場所ごとにテーマとなる色調に変化をつけることで、スーパーツリーに有機的な特徴を持たせています。