前回、本コラムでセレブと呼ばれる若手経営者のビジネスが岐路に立たされていると伝えた。ここ数年、セレブな若手実業家たちは積極的な業容拡大に邁進したが、昨今の金融危機の煽りで有力なスポンサーだった海外の投資・投機マネーが一気にしぼんだ。その結果、多数のビジネスが破綻の瀬戸際にある。
今回は、若手実業家と共同歩調を取り、急速に世間での認知度が上がった人たちにスポットを当てる。キーワードは「美人社長」だ。若手実業家とともにセレブの名を欲しいままにしていた彼女たちにも、荒波が押し寄せている。
社長になるのは「美人」が条件
「エステティシャンが起業、チェーン展開図る」「元モデル女性、実業界でも躍進」・・・。ここ数年、新聞やビジネス、女性向けライフスタイル雑誌を中心に、こんな記事が相次いだ。書店のビジネス書コーナーでは、成功を果たした女性社長、あるいは女性幹部たちの書籍が平積みされ、ベストセラーとなる書籍も登場した。
もちろん、現在も着実に業容を拡大させ、健全な成長を牽引している女性社長は少なくない。が、ここ数年、頻繁にメディアに露出した一部の女性社長たちが、ひっそりと撤退を始めたことはまだあまり知られていない。
撤退、もしくは事業規模を急速に縮小させている女性社長の共通項は、ほぼ例外なく「美人」だということだ。
なぜ一部の美人社長たちがビジネスシーンから姿を消したのか。その理由を探ると、「セレブバブル」の歪んだ一面が透けてくる(筆者は男尊女卑主義者ではないし、成功者の揚げ足を取るつもりも一切ない。あらかじめお断りしておく)。
まるで「ホステス独立」と同じビジネスモデル
「セレブな若手実業家たちの間で、美人のガールフレンドにビジネスを持たせることが流行した時期があった」。ある金融関係者はこう振り返る。また「起業意欲の強い一部のモデルたちが若手セレブにすり寄り、ビジネスを興したケースも多々あった」とも語る。
誤解を恐れずに言えば、大金持ちのオーナー社長が馴染みのホステスを独立させ、店を持たせたようなもの。同じ図式が、昨今のセレブビジネスでも展開されたのだ。