2009年における世界のパソコンソフト市場に占める海賊版の割合は43%で、前年から2ポイント増加し、被害総額は510億ドルに達した。米国のソフトウエア業界団体、ビジネスソフトウエアアライアンス(BSA)と調査会社のIDCがこんな調査結果を発表した。
それによるとこの43%という割合は、100ドルのソフトウエアが1つ売れるごとに75ドル相当のソフトウエアの海賊版が出回ることを意味するという。
米国、割合は最小でも損失は最大
米国における海賊版ソフトの割合は20%で、前の年と同じく最も低い割合だったが、被害額は83億9000万ドルと世界最大になった。これはパソコン市場の規模が大きいためという。米国に次いで被害額が多いのは中国。前年から約9億ドル増えて75億8300万ドルと世界最大の増加となった。
3番目はロシアの26億1300万ドルで、このあとフランス、ブラジルと続いている。日本はワースト8で18億3800万ドル、インドの20億ドルの次に多い。
海賊版はソフトウエア会社やIT業界に被害をもたらすだけでなく、サービス業者や販売業者の事業を妨げ、地域・世界経済に悪影響を及ぼすとBSAは指摘している。今後4年間にその割合が10ポイント下がるだけで、50万人の雇用が創出され、1400億ドルの経済効果がもたらされるという。
原因は新興国市場の急成長
2009年に海賊版の割合が増えた国と地域は19に上っており、前年の16から増えている。その要因は、海賊版の割合が多い新興国でパソコン市場が急速に拡大しているからだという。