恋愛について知っておかなければならないこと、第2回は五感の話です。前回では視覚の重要性を述べましたが、視覚というのは五感の1つで、そのほかにも、聴覚、嗅覚、味覚、触覚というものがあります。

 人間の恋愛は視覚だけではなく、そのほかの五感を用いて恋愛をしているのです。

第一印象はわずか0.1秒で形成される

死の商人から平和の象徴へ、「ノーベル賞」創設秘話

アルフレッド・ノーベルがノーベル賞を作るきっかけとなった1つは平和活動の先駆者となったベルタ・フォン・ズットナーを家政婦として雇ったことだった。彼女は第一印象でノーベルのすべてを見抜いた〔AFPBB News

 前回が経済学の原則からの恋愛の見方としたら、今回は進化生物学からの恋愛の分析です。来週からの結婚学を知るうえでよい復習になるトピックのはずです。

 まず、視覚、見かけ。視覚の重要性は強調してもしすぎることがないくらい重要です。

 心理学者の実験結果によれば、第一印象は0.1秒で形成されると言いますから、瞬時に相手の顔かたち、体形、表情から読み取れる性格、洋服の趣味と値段、センスなどを読み取ろうとします。

 顔で重要な点は、シンメトリー度とホルモンです。栄養不足に陥ると顔か体形にゆがみが生じて、シンメトリー(左右対称)ではなくなります。

 従ってシンメトリーであればあるほど、心地よい印象を受け、相手に気に入られる確率が高くなります。進化生物学者は様々なアンケート調査や心理学的実験から次のように結論しています。

 シンメトリーな人ほど次のような特徴があることが判明しています。

(1)異性は魅力的と感じる(つまりモテる)
(2)初体験が早い
(3)過去の恋人の数が多く性体験が豊富

(4)風邪をひきにくく喘息にもなりにくい
(5)体脂肪率(BMI値)が低い
(6)(男のみ)精力的で、体格がよく、競争心が旺盛である

(7)いいにおいを発する
(8)いい声をしている
(9)(男のみ)精子の質が良く、女にオーガズムを感じさせることができる

 これについてもっと詳しく知りたい方は拙著『なぜ、その人に惹かれてしまうのか? ヒトとしての恋愛学入門』(ディスカヴァー21社)ご参照ください。