1月20日に、「第8回ビジネスプロデュースコンペティション」が、東京・新宿の日本電子専門学校で開催された。「スタートしてからもう8年も経つのか」と感無量であった。

 ビジネスプロデュースコンペティションは、文部科学省の「委託事業そして専修学校教育事業重点支援プラン」として始まった。専門学校生が自分の専門分野で起業することを想定し、実際に損益計算書や事業計画書を作り、プレゼンテーションを行うというもので、授業の一環として行われる。

 プレゼンには「審査員」(私もその1人)が臨席し、学生らにビジネスモデル、特に事業計画書の改良点などを指導、アドバイスする。

 どういう経緯かは忘れたが私に声がかかり、この事業に初期段階から参画することになった。まずは「教材」を作るところから始まった。我々は、「ビジネスプロデューサー(アイデア編・マインド編・ナレッジ編)」「起業・経営の基本テキスト」を作成した。特に力を入れたのが、いかに「プレゼンテーション力」を身につけるか、であった。

 また、専門学校で教える先生方にも「アントレプレナーシップ」を学んでいただく必要があった。これは一番苦労した点である。高知で合宿を行い、先生たちと議論したことが懐かしい。

 第1回のコンペでは、学生たちは大きな紙にマジックで文字を書き、写真を貼ったりしてプレゼンしていた。最近ではパワーポイントを駆使し、時には動画を見せたり立体の試作品を持ってきたりするなど、様々な工夫をこらしてプレゼンしている。

完成度の高いビジネスモデルに感心

 今回、私が感心したビジネスモデルを紹介したい。

 まず、日本電子専門学校の学生たちによる「私だけの参考書」。出版社が作る電子参考書にユーザーが書き込みをすることで完成度とユーザー満足度を高めていき、電子参考書を普及させようというものである。