4月30日に総務省が発表した4月の東京都区部消費者物価指数(都区部CPI)は、「生鮮食品を除く総合」(コア)が前年同月比▲1.9%となり、マイナス幅は前月から0.1%ポイント拡大した。政府が4月から実施している高校授業料の実質無償化措置がCPI品目「公立高校授業料」「私立高校授業料」に反映されたことが主因であり、総務省はそれぞれの押し下げ寄与度が▲0.21%ポイント、▲0.17%ポイント、合計▲0.37%ポイントであることを、公表資料の中で確認した。これらのうち「私立高校授業料」については、筆者が事前に予想していたほどは、マイナス寄与度は絶対値が大きくならなかった。コア前年同月比の押し下げには上記のほか、「家賃」「都市ガス代」「航空運賃」などが寄与した。一方、押し上げに寄与した品目は、「外国パック旅行」「被服及び履物」「生鮮食品を除く食料」「電気代」などである。高校授業料無償化要因以外の各種要因の差し引きで、コア前年同月比はプラス方向に押し戻されたため、前月からのコア前年同月比マイナス幅拡大が0.1%ポイントにとどまったということである。

 また、国際商品市況に影響されたイレギュラーな振れを除去し、国内要因に基づいた消費者物価のトレンドをより明確に示してきている「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」(いわゆる欧米型コア)は前年同月比▲1.4%で、マイナス幅は前月から0.2%ポイント拡大した。高校授業料無償化が主因で、「外国パック旅行」などがプラス方向に押し戻す構図だが、「生鮮食品を除く食料」や「電気代」が含まれない分、マイナス幅は通常のコアよりも拡大幅が大きくなった。

 CPIの足元の方向感を把握する上で使い勝手のよい季節調整済指数(2005年=100)の今回4月分を見ると、コアが98.8(前月比▲0.3%)、欧米型コアが97.7(同▲0.4%)で、後者は過去最低水準を更新した。

 また、3月の全国消費者物価指数(全国CPI)は、「生鮮食品を除く総合」(コア)が前年同月比▲1.2%となり、マイナス幅は前月から変わらなかった。前年同月比マイナスはこれで13カ月連続のことである。コア前年同月比の押し上げに寄与した品目は「灯油」など。押し下げに寄与した品目は「ガソリン」「家賃」などである。

 また、「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」(いわゆる欧米型コア)は前年同月比▲1.1%で、マイナス幅はこちらも前月から変わらなかった。

 しかし、次回4月分では、高校授業料無償化要因が押し下げ方向で影響してくるため、コア、欧米型コアともに、前年同月比マイナス幅を拡大する可能性が高い。しかも、総務省が公表資料でわざわざ言及しているように、「公立高校授業料」のウェイトが全国CPIでは38/10000で、東京都区部の20/10000の約2倍となっているため、影響がより大きく表れてくることになる。

 季節調整済指数(2005年=100)は、コアが99.8(前月比横ばい)、欧米型コアが97.9(同▲0.1%)になった。後者は過去最低水準に横並びとなっており、次回は過去最低を更新する可能性が高い。