20日の東京市場は、昨日の北朝鮮報道のときとは打って変わって静かなマーケットとなった。ドル円は77.95-78.05のレンジ内の取引に留まっている。ユーロドルは1.3000近辺で膠着。この日はゴトウ日(5・10日)だったが仲値前後の値動きにも目立った動きはみられていない。北朝鮮関連の続報も特段見られなかった。ただ、市場での警戒感は続いており、政府は4次補正予算での為替介入枠の195兆円への増額を発表している。閣議後の会見で安住財務相は、北朝鮮問題でも市場はいたって冷静に対応している、権力移行含めどう推移するか注意深くみたい、としている。また、野田首相の年内の訪中日程に現時点では変化はない、と発表されている。中国国債購入の報道については、話をしているのは事実、と安住財務相が述べている。ただ、一部のドル売りへの思惑に対しては、急激な変化は想定せず、ドルに対する信認も変えることもない、とも述べた。

この日のイベントとしては、豪中銀議事録が発表されている。12月6日に政策金利が0.25%引き下げられたときのもの。利下げの理由として、欧州からの下方リスクの高まりが指摘されている。一方、鉱山投資ブームのなかで利下げの強い必要性を示唆せず、と今回は利下げを見送る議論もあったことが判明した。また、アジア成長は引き続き堅調、とも指摘している。豪ドルは据え置きの議論があったことを受けて買いの反応。豪ドル円77.50台、豪ドル/ドル0.9940近辺へと買われた。ただ、世界経済成長、今後数年にわたり弱まる公算、と理事会は結論付けたとしており、理事会ではハト派ムードが優勢だったことが示されていた。

(Klugシニアアナリスト 松木秀明)