16日の東京市場はドル軟調の展開。ドルは、ポンドやカナダドルに対して13日のレベルまで反落した。昨晩の欧米市場でリスク回避傾向が和らいだことや、週末前のポジション調整のようだ。東京市場では特段の材料はなく、昨晩の流れを引き継いだ格好。ドル円は77.80台を中心に方向感のない展開となった。オプション市場ではドル円1weekのボラティリティーが2007年7月以来の水準まで低下しており、方向性が見出しづらいようだ。
ユーロは小動きに終始し、ユーロドルは1.30台前半、ユーロ円は101円台前半で推移した。

◆一部アジア通貨は急伸
本日は、人民元やインドルピーの値動きが見られた。ともにドルに対して急伸している。人民元は基準値が6.3352だったが、その後6.3294とこれまでのレベルを更新してドル安/元高が進んだ。市場筋によると、主要国有銀行が大量のドル売り/元買いを入れたようで、人民銀行(中銀)による介入との見方があった。一方、海外投資家は、中国の経済成長が鈍化していることを嫌気して元売りを入れているとの指摘があった。
ルピーは昨日までドルに対して最安値を更新していたが、本日は急反発している。こちらは明らかに中銀によるルピー買い介入だとの声があった。この後、中銀は政策金利を発表する。

Klugアナリスト 鈴木信秀