14日のロンドン市場は、ユーロ主導でドル買いが広がった。市場で注目されたのがユーロドルの1.30近辺での値動きだった。1.3000レベルにはオプション関連の売買注文が集中しているとの見方が広がり、取引序盤はサポートされて一時1.3065レベルまで反発する場面があった。しかし、戻りはここまでに終わった。イタリア5年債入札の平均利回りが過去最高水準となったことをきっかけに再びユーロ売りが強まっている。ユーロドルは1.30の大台を割り込んで1.2965レベルまで下落する動き。ユーロ円も101円台後半から101円台前半へと下押し。また、今週売りが目立っているユーロポンドも0.83台後半へと下押ししている。
昨日はメルケル独首相のEMS上限に関する発言がユーロ売りを誘った。きょうはバイトマン独連銀総裁がIMF融資について、非ユーロ参加国の貢献、特に米国の参加がなければ問題、と厳しい条件を付けている。市場に欧州危機の解決への困難さを印象付ける結果となってしまった。ノルウェー中銀は政策金利を予想以上の0.5%引き下げて1.75%とした。周辺国にも欧州危機の影響は根深いようだ。
◆ドル買い広がる、ドル円は一時78.15レベル
ユーロドルの1.30割れの動きに連動して、各主要通貨でドル買いが広がっている。ドル円は一時78.15レベルへと高値を伸ばした。ドルスイスは0.95手前へと上昇し、9ヶ月半ぶりの高値水準となった。明日にスイス中銀政策金利を控えていることも影響したか。資源国通貨でも豪ドル/ドルがパリティ割れ、ドルカナダが1.03台後半へとドル高が進行した。欧州株が軟調に推移、原油先物が98ドル台半ばへ下落するなどリスク回避ムードが広がった。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)