「米国の技術革新を促進し繁栄の牽引役であるハイテク産業は、長らく続いた不況から脱し回復の歩みを速めている」。米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)がそう報じている。各社は相次ぎ好決算を発表しており、これにより急速に雇用環境が改善しているという。

米グーグル、超高速のインターネット接続サービスを計画

米グーグル、大幅な増収増益〔AFPBB News

 それを表す最新の指標がネット検索最大手、米グーグルの業績。同社が15日に発表した1~3月期決算は、売上高が1年前に比べて23%増加し、67億7500万ドルとなった。純利益も37%増加し、5四半期連続で増収増益となった。

 半導体大手の米アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も同日決算を発表しており、こちらは売上高が15億7400万ドルと、1年前に比べ34%増加している。

 これに先だって13日に米インテルが発表した決算は、純利益が24億4000万ドルと1年前の3.8倍。売上高も34%増で大幅な増収増益となった。

 ハイテク業界はこれから決算発表がめじろ押しとなる。20日には米アップル、22日には米マイクロソフトや米アマゾン・ドット・コムが決算発表を行う。企業や消費者がハイテク製品への支出を増やしていることから、好決算はまだまだ続くだろうと同記事は予測している。

グーグルは「積極的に雇用を増やしていく」

 記事によるとテクノロジー系の市場調査会社、米ISIグループは、ハイテク企業全体の1~3月期における売上高は前年から10%以上伸びると見ている。この数字は1年前は16%減だった。また米格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は79%増加すると予測している。これにより雇用の回復が進むと予測されている。

 グーグルは15日の決算発表で、同社の全世界のフルタイム従業員が1~3月期に約800人増えて2万621人になったと報告した。またWSJの別の記事によると、同社のパトリック・ピシェット最高財務責任者(CFO)は決算発表の電話会議で、「今後も人と製品、資産買収に投資する。年間を通して積極的に雇用を増やしていく」と述べている。

 このほかインテルの広報担当者も、今年1000~2000人を新たに雇用すると述べているという。