12日のNY市場はリスク回避の雰囲気が強まり、ユーロや資源国通貨は売り優勢の展開となった。先週のEU首脳会談に対する格付け会社の評価が今ひとつのようで満足の行く内容ではなかったようだ。格下げも示唆するコメントを発表している。ロンドン時間にはムーディーズが新鮮味に乏しいとし、NY時間に入るとフィッチが危機に対する包括的解決には不十分とし、今回の決定は圧力緩和とはならないと指摘している。
ユーロの売りは加速し、ユーロドルは11月安値をブレイク、1.32も割り込んで1.3165近辺まで一時下落している。この動きに呼応して株価や原油も大きく下落したことから、資源国通貨も軟調な動きとなった。
一方、ドル円はドル買いの動きから底堅い展開が見られたものの、円買いもあり上値は重く、78円手前での振幅に終始している。
◆ポンドに逃避買いも
ユーロや資源国通貨は弱い展開となったものの、ポンドは比較的しっかりとした動きを見せていた。企業の配当に絡んだ対ユーロでの実需買いも観測されていたようだが、英国債への買いが強まっており、英10年債利回りは直近サポートされていた2.1%を一時割り込み最低水準を更新している。EU条約変更を拒否した英国だが、米国債と伴に逃避買いを集めているようだ。
ポンド円は一時120.75近辺まで値を落としていたが、121.75付近まで一時リバウンドしている。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)