9日、内閣府から7-9月期の四半期別GDP(国内総生産)2次速報(2次QE)が発表された。実質GDPは1次QE時点の前期比▲0.1%(同年率▲0.4%)から、前期比▲0.5%(同年率▲1.8%)へと大幅に下方修正された。主因は、民間在庫品増加と政府最終消費支出の下方修正。民間企業設備は前期比▲1.7%から同▲2.0%に小幅下方修正されたものの、前期比寄与度は▲0.3%で変わらなかった。内外需別の寄与度は、内需が+0.1ポイントから▲0.3ポイントに下方修正、外需は▲0.2ポイントで変わらず。また、実質GDPは前年同期比では▲0.1%から▲0.5%に下方修正された(マイナスは2002年4-6月期の▲0.2%以来)。

 

 

 また、名目GDPは、1次QE時点の前期比▲0.5%(同年率▲2.1%)から、前期比▲0.7%(同年率▲2.7%)に下方修正された。内外需別の寄与度は、内需が+0.3ポイントから+0.1ポイントに下方修正、外需は▲0.8ポイントで変わらず。名目GDPの前年同期比は、▲1.7%から▲2.1%に下方修正された(2002年1-3月期以来の大きなマイナス幅)。1-3月期が同 0.0%、4-6月期が同▲0.8%なので、マイナス幅は7-9月期に拡大を加速したことが分かる。

 

 実質GDPについて、主な需要項目ごとの改定状況を、簡単に見ておきたい。

 民間最終消費支出は、前期比+0.3%(実質GDP前期比への寄与度:+0.2ポイント)。ともに改定なし。

 2四半期ぶりのプラスだが、4-6月期の落ち込み(前期比▲0.7%)からの戻りは鈍い。しかも、所得環境が着実に弱くなっており、7-9月期の雇用者報酬は、名目で前期比 0.0%・前年同期比+0.2%、実質で前期比▲0.2%・前年同期比▲1.2%。消費マインドも顕著に悪化しており、個人消費は次回10-12月期には前期比マイナスに復するものと予想される。

 民間企業設備は、前期比▲2.0%に下方修正(実質GDP前期比への寄与度:▲0.3 ポイントで変わらず)。