タブレッド端末「アイパッド(iPad)」の発売を目前にして、米アップルの株価が過去最高値を更新した。米国時間3月29日の午前、アップル株は一時233.87ドルまで上げ、同日の終値は前日比1.49ドル高の232.39ドルとなった。
アップル株は、同社が1月下旬にアイパッドを発表して以来約15%上昇しており、前年の同じ時期に比べ2倍以上の水準で推移している。
アップルは同日、全米の同社直営店221店と家電小売大手米ベスト・バイで4月3日午前9時からアイパッドを販売すると発表した。また同日、オンラインストアにおける先行予約販売分の発送が、一部当初予定の4月3日から12日に遅れると報じられた。初期の予約数が予想を上回ったものと見られている。こうした報道も手伝ってか投資家の期待が高まったようだ。
アナリストもアイパッドに高い関心を寄せている。しかし彼らの販売見通しはまちまちだ。米ニューヨーク・タイムズは、6月までに100万台近くを売り上げ、年末までには500万台が売れるのではないかと伝えている。英ロイターも、初年度200万台になるとも、500万台になるとも予測するアナリストの見解を報じている。
「アイフォーンの実績は参考にならない」
アップルがスマートフォン「アイフォーン(iPhone)」を発売したのは2007年の6月末。この6月末時点の初回予約販売分と最初の約3カ月間を合わせた販売台数は約140万台だった。
同年年末の時点の累計台数は約370万台。最初の1年間では約610万台を販売している。アナリストらのアイパッドの数値も比較的これに近く、彼らはアイフォーンの実績を参考に予測値を出しているものと思われる。
しかし、アイフォーンの実績を指標とするのはあまり適切ではないとニューヨーク・タイムズの記事は指摘している。
アイフォーンが発売された当時、既に消費者は携帯電話に慣れ親しんでいた。しかし現時点でタブレット端末を使っている人はごくわずかというのがその理由だ。