A(証券会社商品企画部長) 受ける商品はないの? インパクトのあるやつ。ストーリーがあるともっといい。今はストーリー戦略ばやりだしね。

再び世界同時株安、ギリシャ首相の「国民投票」発言で

都内の株価ボード〔AFPBB News

B(資産運用会社投信部長) はい。例えば今は欧州危機と円高が新聞によく出ているので、海外債券を外して、「日本の成長株を見つけろ」ということでどうでしょうか?

 あるいはTPPが話題なので、「農業関連株ファンド」もいいかもしれません。

A 話題になりそうだね。儲かるの?

B 販売手数料は3%、信託報酬も1.5%超えになるように商品設計を考えます。

金融機関によって異なる投資信託の推奨銘柄

 皆さんは、これがどういった状況での会話かお分かりになるでしょうか?

 Aは、証券会社で次に店頭で売り出す投資信託を選ぶ部長。Bは、外資系や日系の投資信託を運用する資産運用会社の部長のことを指します。

 少し説明を加えましょう。

 投資信託(本コラムでは皆さんが買い求められる公募投信のみを指す)とは、多くの投資家のお金をまとめて、投資のプロがみなさんに代わって株式や債券の運用を行い、その収益を自らの報酬(上記で言うところの販売をした瞬間に顧客から金融機関に支払われる販売手数料と、年間に運用や運用報告などの対価として支払う信託報酬の合計)を抜いた後に皆さんにお戻しする金融商品。

 証券会社や銀行に行くと、いろいろな投資信託商品が置いてあります。商品を勧められた方も多いのではないでしょうか?

 この投資信託、皆さんが行く証券会社や銀行がどこかによって品揃えが変わります。

 なぜでしょうか?