美魔女というユニークなネーミングを生み出した、光文社・美ST編集長の山本由樹氏。その美STから生まれた「国民的美魔女コンテスト」は、11月1日に第2回目の最終選考会が開催されたが、Ustream中継にアクセスが殺到し、美魔女のオフィシャルサイトもサーバーがダウンするほどの注目を集めた。

 今回からスタートする編集長対談は、JBpressとウェブインフラ「イズメディア(isMedia)」を共有するオンラインメディアの編集長を招き、日本と日本のメディアを元気にするために何が必要かを語り合う企画。第1回は、女性誌と男性中心のビジネスメディアの意外な共通点から話が始まった。

読者層が違っても、「日本再生」というテーマのベクトルは共通

第2回国民的美魔女コンテストでグランプリを獲得した山田佳子さん(45歳) 写真提供:光文社・美ST

川嶋 ビジネス誌は大抵そうなんですが、JBpress読者の9割は男性で、女性は1割程度。ただ、女性もビジネス情報を読んでいるはずで、僕らの視点と女性の視点が重なる部分はあるはずだと思っているんですが、どうでしょうか。

山本 JBpressは「日本再生」をテーマにしていますよね。それは僕らも一緒なんですよ。「美魔女」を普及させたいと思った理由は、40代の女子力で日本を「アゲよう」という、けっこうまじめに考えたものです。

 例えば、ちょっときれいになってみようとコスメを買ったり、痩せたいとジムに通ったり、エステに行ったり、そういう消費行動を起こさせることが日本をアゲることにつながる。

 また、きれいになることが、女性が社会に出て何か活動を始めるきっかけになったりする。社会を変える時に女性の力は大きいと思います。そういう意味では、JBpressの日本を再生させようという活動とベクトルは同じだと思います。

川嶋 なるほど。それにしても美魔女はいいですね。きれいな女性が増えるのは、男から見てワクワク感がある。

山本 きれいな女性がそばにいると周りがざわつくじゃないですか。そういう女性が社内にいるとケーキを買ってきたりとか、そこにも消費が生まれる(笑)

川嶋 男も緊張感を持ちますよね(笑)

組織優先の男に日本は変えられない。「自分」を持つ女性に期待

山本 由樹(やまもと・ゆき)氏
上智大学新聞学科卒業後、1986年に光文社入社。『女性自身』編集部にて16年、2002 年11月『STORY』創刊から編集を手がける。2005年6月に同誌編集長に就任。2009年8月 『美STORY』月刊化に伴い両誌の編集長を兼任。2011年6月から『美STORY』編集長。 同年8月『美STORY』は『美ST』に名称変更。(写真撮影:前田せいめい、以下同様)

山本 今回の「国民的美魔女コンテスト」はものすごい反響で、Ustreamのストリーミングは6日間で100万視聴を超えました。昨年のコンテストは1年間で2万5000くらいでしたから、驚異的なアップです。

 美魔女コンテストをやっていて思うのは、普通の主婦が持っているポテンシャルの高さです。企業の中では40代の主婦というのはほとんど労働力として見られず、四大卒でもスーパーのレジ打ちをしている人もいっぱいいる。

 そういう人をもっと活用するようなことを考えるべきだし、美しくなるというポテンシャルを見ただけでも、まだまだ眠れる資産だなという気がしています。