17日のNY市場は後半になってリスク回避の雰囲気が強まり、ユーロや資源国通貨は売りが優勢となった。欧州債務懸念は依然として根強いものの、きょうも米経済指標は底堅い内容が発表されている。序盤はユーロに買い戻しも入っていたが、後半になってNY株式が先導する格好でリスク回避の雰囲気が強まり、ユーロも序盤の上げを帳消しにした。
特に悪材料が出た訳では無かったが、欧州債務問題が依然として懸念される中、一部には米債務問題に対する米議会の超党派委員会の協議に進展が見られていないことも嫌気されているとの指摘も数多く出ていた。
この2日間のユーロドルの動きを見ると、やや売り疲れも出て来ているのか、1.3450の水準を下回ると押し目買いも見られている。きょうはユーロ以上に豪ドルやカナダなど資源国通貨の売りのほうが目立っていた印象も。
ドル円は相変わらずレベル感に変化はなく、77.00を挟んでの小幅な振幅に終始している。
◆ユーロ、来週は戻り試すとの見方も
為替のサイクル論で有名なファンドマネジャーによると、ユーロは来週にかけリバウンドを試す可能性も出て来ているという。
IMM投機筋の建玉データによると、ユーロのショートポジションは10月始めから若干減少しているものの、依然として2010年半ばの水準近くまで積み上がっており、この場合、この先、急速にユーロは下落しない可能性もあるという。
サイクル的にユーロドルは本日で一旦底打ちする可能性もあり、1.3450水準を維持すれば、来週央にかけ戻りを試す可能性も出ているという。目先の戻り目標は1.3725だが、もし、その水準が維持されるようであれば、1.4150までの戻りも想定されるという。但し、この動きをもって本格的なリバウンド相場とはならないとも述べている。
下げに対する短期的な過熱感はまだ高まっていないと思われるが、この2日間のユーロの動きを見ると、下押し圧力も一服して来ている兆候も見られる。来週は米感謝祭ウィークということもあり、米国勢がここから積極的にポジションメイクするとも考え難く、きっかけがあれば、調整が入ってもおかしくは無いタイミングではある。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)