はじめまして、ステイジアキャピタル代表の奥村です。今回から数回にわたって、日本の富裕層が海外でどのような動きをしているかを中心にお伝えいたします。
私が中国からシンガポールに生活拠点を移した理由
私は、1997年6月に香港に邦銀の駐在員として赴任して以来14年、日本を離れて海外を拠点にビジネスをしています。
2001年に独立してからは、約10年間、香港、上海にて不動産投資コンサルティングに従事したあと、今年の4月に家族ともに、シンガポールに移住しました。
最近、私がシンガポールに移ったことを知った方から、「奥村さんは中国で起業し、業務がまだ中国が中心なのに、なぜシンガポールに移られたのですか? もう中国ビジネスは将来がないのでしょうか?」などという質問を受けます。
このような質問に対しては、私はこう答えています。
私は、中国で嫌というほど、中国だけでビジネスを展開することのリスクを感じてきました。ビジネス自体、リスク分散が必要です。基盤ができたところで、経営者は毎日会社で帳簿と睨めっこしていても、このグローバル経済の中で生き残れません。
自ら新天地で事業拡大をすることが必要だと認識し、成長するアジア新興国やオセアニアへのアクセスが良いシンガポールに拠点を自ら立ち上げることにしたのです。
シンガポールは、別名「富裕層のハブ」と言われています。
税率が低く(所得税の最高税率が20%、法人税も17%)、秘匿性が守られるということで、最近は、それまで富裕層のハブと言われたスイスからも資金が流れています。チャイナマネーもシンガポールに向かっています。