9日のロンドン市場でドルは円を除く主要通貨に対して買われた。ドルインデックスは76後半から77半ばに上昇している。イタリア債に投売りが入り10年物国債利回りは7.4%台とユーロ導入後の最高水準を更新、市場のリスク回避色を強めた。上昇して始まった欧州株も大きく値を落とす展開となった。ユーロドルはロンドン市場に入って1.37台後半から1.3620台まで下落し、豪ドルやポンドも値を落としている。ドル円は方向性なく、77.60台を中心に小動きに推移した。
欧州の清算・決済機関LCHクリアネットは、イタリア国債取引の証拠金比率を、9日の取引終了時点から引上げると発表した。同報道を背景にイタリア債は取引開始から売られ、利回りは上昇した。ECBがイタリア債を購入したようだが、価格の下落は止まらず投売りが入って一時、値段が付かない状況だったようだ。また、2年債金利が10年債金利を上回り、長短金利が一時逆転した。長短金利の逆転はユーロ導入以来初で、EU・IMFから金融支援を受けているギリシャやアイルランド、ポルトガルも支援要請する前に長短金利の逆転現象があった。市場は、金利が7%超えたことで「持続不可能」水準に入ったと見ている。ギリシャ債に続き、債券を保有する金融機関などの民間債権者の財務状況が懸念される。
Klugアナリスト 鈴木信秀