イスラエル銀行(中央銀行)は2月22日、3月の政策金利(ヘッドラインレート)について、2月と同じ1.25%で据え置くことを決定した。これにより、昨年末にかけて政策金利の引き上げに2回以上動いた3つの国、オーストラリア、ノルウェー、イスラエルがすべて、2月の会合で据え置きを決めたことになる。

 オーストラリア準備銀行(RBA)は、2月2日、政策金利であるキャッシュレートを3.75%で据え置いた。市場では4回連続の利上げを予想する向きが多かったが、RBAはいったん利上げを休止することを選択した。キャッシュレートは2009年4月に3.0%まで引き下げられた後、10~12月に3カ月連続で0.25%ずつ引き上げられていた。2月の声明文は、オーストラリアと経済関係が深いアジアの景気回復について、金融セクターの傷が浅いことからこれまでのところかなり迅速だとしながらも、中国当局が景気刺激度合いを減らそうとしていることに言及。いくつかの国のソブリンリスクへの懸念が増大したことにも触れた。RBAはさらに、金融政策面からの景気刺激度合いを減らすために利上げをさらに重ねていく必要性を強調しつつも、金融機関がキャッシュレートの引き上げ幅(0.75%)を超えて金利引き上げに動いており、大半のローン金利が1%近く上昇していることに鑑み、当面は政策金利を据え置いて、金利上昇の影響を含めて様子を見るのが適切であると判断したことを、声明文で説明した。

 ノルゲスバンク(ノルウェー中央銀行)は2月3日、主要政策金利であるキーポリシーレート(中央銀行への預金金利であり、市場金利の下限を形成)を1.75%で据え置くことを決定した。ノルウェーは、政策金利を2009年6月に1.25%まで引き下げた後、同年10月と12月の会合で、0.25%幅で利上げを行った。しかし、今年に入って最初の政策金利決定の機会である2月は動かなかった。声明文は、世界経済はリバウンドしているものの活動水準が低いこと、米国と欧州では失業率が高いことを指摘。新興諸国の経済成長は高い水準を維持しているが、米国と欧州では減速する可能性が高い、とした。さらに、多くの国で主要政策金利はゼロ%に近くなっており、この先しばらくそうした状態が続くと予想される、と記述した。