7日のロンドン市場でユーロドルは乱高下の中、下に往って来いとなった。イタリアのベルルスコーニ首相の辞任報道が錯綜し振幅したが、値を取り戻す結果となった。一時1.3680台まで下押しした後、1.37台後半まで反発している。ドル円はユーロ買い/ドル売りの流れからじり安に推移したが、78円台は保っている。
ロンドン市場はユーロ売りで始まった。ギリシャ懸念が飛び火した格好となっているイタリア市場でイタリア債の売りが継続し、10年物国債利回りはユーロ導入以来の水準となる6.6%台まで上昇、ユーロ懸念が尾を引いた。ECBがイタリア債の2年から10年物を購入したようだが、金利の上昇を抑える効果は限定された。その後、ベルルスコーニ首相が近く辞任するだろうとの地元紙の報道を手がかりに、イタリア株式は急反発し、イタリア債利回りは低下、ユーロにも買いが入った。ただし、首相が同報道を「事実無根」と否定したことが伝わるとユーロドルは急速に上げ幅を縮小、株式の上昇も一旦は抑えられたが、下押しするまでには至っていない。
◆スイスフランは下げ幅拡大
スイスフランは主要通貨に対して一時下げ幅を広げた。先週末に、スイス中銀総裁がフラン高をけん制する発言をしたとの報道が伝わったことで、東京市場からフラン売りが入っていたが、予想と前回値を下回るスイス消費者物価指数が発表されると一段安となった。フランはドルとユーロに対して10月20日以来の水準まで下落した。
Klugアナリスト 鈴木信秀