2月16日に米財務省が発表した昨年12月の米証券投資統計で、中国の米国債保有残高が2カ月連続で減少して7554億ドルとなり、日本(7688億ドル)を下回ったことが話題になった。日本が最大の米国債保有国になったのは、2008年8月以来のことである。中国の保有額は、12月は前月比▲342億ドルという大きな落ち込みとなっており、米中間の貿易摩擦が中国の外貨準備運用姿勢に影響したのではないか、という見方が出ている。だが、そうした見方に、今のところエビデンスはない。

 そもそもの話として、昨年12月末時点で2兆3991億5200万ドルという世界一の規模を誇る中国の外貨準備高の月ごとの増減額と、米財務省統計に見る中国の米国債保有残高の増減との間には、近年、安定した関係を見出しにくくなっている。

 2008年5月頃までは、外貨準備高の前月比増減とほぼ連動させる形で、中国が米国債保有残高を調整しているように見えていた。だが2008年後半には、外貨準備高の月ごとの振れが大きくなる中でも、米国債に対する積極的な投資姿勢を中国は継続した。2008年9月に「リーマン・ショック」が発生し、世界経済が危機的な状況に陥る中で、相対的に安全な米国債に資金を逃避させる姿勢を、中国当局は強めたのだろう。2008年10月に、中国の米国債保有残高が前月比+659億ドルの急増を記録したことが象徴的である。