不動産価格が高止まりし、一向に不動産引き締め策が緩和される気配のない中国都市部では、チャイナマネーが海外にシフトする動きが強まっています。

 特に、2011年下期に入りその動きは鮮明となっており、週末には、「○○国の不動産セミナー開催」などといった新聞広告を目にします。その中で、今回は足元で注目の集まりつつある中国人のマレーシア不動産投資についてピックアップしたいと思います。

熱気が溢れる海外不動産投資セミナー

大晦日の破廉恥パーティのうわさに当局が警告、マレーシア

マレーシアの首都クアラルンプールのペトロナス・ツインタワー横に上がる花火〔AFPBB News

 外国人によるマレーシア不動産投資は、隣国のシンガポール人による投資が圧倒的に多いようですが、不動産引き締めが強化されている中国本土や香港からの投資も増加傾向にあります。

 そこで、ステイジアキャピタル調査部は2011年9月に上海の金融エリア・陸家嘴で行われたマレーシア不動産セミナーに参加し、中国人のマレーシア不動産投資に対する意識レベルを探ってきました。

 セミナーでは、講師である中国の不動産仲介会社の担当者が、マレーシアのマーケット情報、物件の概要(今回はクアラルンプールの高級一戸建て)、マイセカンドホーム(MM2H)プログラム(10年間有効の長期滞在ビザ制度)などについて順番に説明していきます。

 マーケット情報では、足元で中国の不動産価格の調整色が強まる中、引き続き堅調に推移するマレーシア不動産市場の魅力を参加者に熱心に説明していました。

注目を集めるマイセカンドホーム(MM2H)プログラム

 これはセミナー後の懇親会で分かったことですが、今回セミナーに参加した方は、(1)マレーシアにはすでに複数回行ったことがある、(2)以前住んでいたことがある、(3)仕事上関連がある――とマレーシアの不動産マーケットに関しては、すでに熟知している参加者がほとんどでした。

 そのため、マーケット情報よりも「具体的な購入手続き」や「MM2Hの手続きの仕方」などについて勉強しに来たという参加者が多かったです。