米国の若者(15~24歳)の死因で、自殺が第3位となっている。死因トップは事故。第2位は殺人だ(CDC米疾病対策センターのデータより=PDF)。
1993年から2003年までは減少傾向にあったティーン自殺が、2003年以降、現在まで増え続けている。
この現象に全米の注目が集まったのは、この数カ月の間に、ある高校で4人の生徒が立て続けに自殺を図ったからである。
シリコンバレーの優秀な高校生が次々と投身自殺
自ら命を絶った生徒たちは、カリフォルニア州のサンフランシスコ市から車でおよそ1時間ほど、スタンフォード大学があることで有名なパロアルトという町の高校生だった。シリコンバレーの中心に位置する高級住宅街で、学校の水準が高いことから、教育熱心な親たちが近隣から移り住むことでも知られている。
その教育水準が高い町の中で最も優秀だとされるヘンリー・M・ガン高校で事件は起こった。
5月5日、朝の通勤ラッシュまっただ中の8時20分、同校2年生のジャンポール・ブランチャードさんが学校近くの踏切で列車に飛び込んだ。
続いて6月2日、同じ学年のソニア・レイメイカーズさんが、ブランチャードさんが自殺した踏切で、同じように列車に飛び込んだ。
この2日後に、ガン高校の生徒が同じ踏切で飛び込み自殺を図ろうとしているところを、保護者と通りがかりの人に止められる。
ブランチャードさんが亡くなった時、学校では大学入試のための予備テストを2週間にわたり実施している最中だった。そのため、受験戦争のプレッシャーが自殺の原因なのではと言われた。しかし、既にニューヨーク大学への入学が決まっていたレイメイカーズさんが自ら命を絶つと、受験戦争説は霧散した。
自殺を止められた生徒は、自殺しようとした理由を明らかにしていない。