14日のロンドン市場でユーロは反発。欧州要人などから危機を乗り切るための発言が続いたことでユーロに買いが入った。ユーロドルとユーロポンドは今月9日以来、ユーロ/豪ドルは6日以来の水準まで上昇しユーロ円は昨日の高値に並んだ。ただ、上げ幅を拡大するまでには至っていない。
バローゾ欧州委員長やコスタ・ポルトガル中銀総裁はユーロ共同債の必要性を説き、サルコジ仏大統領が閣議でギリシャ救済のためにあらゆる手段を尽くすと述べたことが伝わった。李中国副首相は中国は常にユーロを信認していると述べ、IMF高官はギリシャに本日より査定に入る予定のトロイカ(IMF、EU、ECB)調査団について、条件が整わなければ戻らなかっただろうとの見解を示した。
経済指標で動いたのは17:30発表の英8月の失業保険申請件数推移。予想3.50万件のところ2.03万件と下回り、市場はポンド買いで反応した。ポンドドルは1.5730台から1.5770台まで上昇し、その後もユーロの上昇にも伴いじりじり値を上げた。
市場の注目は今晩(日本時間15日午前1時)のメルケル独首相と仏大統領、パパンドレウ首相との電話会談。ギリシャやユーロ圏の債務危機について話し合われる。フランス政府の報道官によると、ギリシャが7月のEU首脳会議で合意した公約を果たすという保証を求めるといい、終了後の声明発表は予定されていないとのこと。独首相は昨日、ギリシャは救済融資の次回分を受け取るための正しい措置を取っていると指摘し、デフォルト回避を最優先する決意を表明している。
Klugアナリスト 鈴木信秀