NGOの「セーブ・ザ・チルドレン」が母の日に毎年発表している「母親指標(Mother's Index)ランキング」によると、子育てがしやすい国の第1位は2009年もスウェーデンだ。これで2003年以来7年連続トップ。この指標が対象とするのは、世界158カ国の女性の平均余命や幼児死亡率、出産や育児休暇の取りやすさ、安全な水へのアクセス、教育期間・・・。他の北欧国も全てトップ10入りしているが、日本は34位にとどまる。(記事中の写真も筆者撮影)
英国のヨーク大学は幼児死亡率や貧困、住宅環境などを比較した上で、2009年4月に「欧州で子どもが一番幸せな国」ランキングを発表した。それによると、オランダに次いでスウェーデン、ノルウェー、アイスランド、フィンランド、デンマークと北欧勢が上位を占めている。
2009年9月、OECD(経済協力開発機構)は加盟30カ国の子どもの状態に関する調査リポートを公表。物質的豊かさや住居、環境が整備されているという点で北欧諸国が高い評価を受け、日本は22位にすぎない。
日本の内閣府の調査でも、「自国は子供を産み育てやすい国か」という質問に対し、『そう思う』と答えた人の割合がスウェーデンでは98%に達した。一方、日本では48%と半数に満たない。「育児における役割分担は?」と尋ねたところ、スウェーデンでは「妻も夫も同じように行う」が9割を超えた。日本は「主に妻が行う」がほぼ7割という結果が出ている
育児休暇は最高480日、うち60日は父親に限定
「子どもが幸せ」「母親にとって育児がしやすい」という環境を整えるには、父親がどれだけ子育てに関与しているかが大いに影響するのではないか。
筆者の在住するスウェーデンでは、乳児は家庭で育てるべきだという考えが強く、一般的に1歳までは父親か母親のどちらかが子どもの面倒を見る。「外」の世界に出る前にしっかりと親子の関係を築き、人間性の土台をつくるべきだという考えなのだ。
また、母乳が強く奨励されており、スウェーデンではほぼ100%の母親が人工乳を使わずに母乳で育てているようだ。私自身も母乳は楽なので特に止めようとしなかったら、長女は4歳過ぎまで毎晩チュビチュビしていた。