10月に入り中国外交が活発な動きを見せている。4~6日に温家宝首相が北朝鮮を訪問、9日には北京で日中韓首脳会議、更に13日にプーチン首相との中露首脳会談、14日には上海協力機構首相級会合が、矢継ぎ早に開催された。

ロシアとの対立封印し親密さ演出

金総書記、6か国協議復帰の意思示す 米朝協議の結果次第で

訪朝した温家宝首相(中央)。右は北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル総書記〔AFPBB News

 平壌では北朝鮮に6カ国協議復帰を促し、ロシアとは対立を封印し親密さを演出、イスラム圏のイランや中央アジア諸国との関係でも存在感が高まったと報じられるなど、中国はグローバルプレーヤーとしての地位を着実に固めつつあるように見える。

 これに比べて日本外交はどうか。中韓首脳に対し鳩山由紀夫首相は、「今まで米国に依存し過ぎていた」日本は、「東アジア共同体を構想」しており、経済、社会、文化面での地域協力が「世界全体に大きな影響を与えるだろう」と胸を張った。

 しかし、せっかくの共同体構想も3カ国共同声明では「長期目標」、すなわち「当面棚上げ」となった。海外主要紙もあまり注目していない。自国の外交を批判するのは本意ではないが、それにしても、何と地政学的視点を欠いたナイーブな発想であろうか。