健康不安めぐり神経戦

民主党小沢氏がネットテレビに生出演、初恋の話も

民主党小沢氏がネットテレビに生出演、初恋の話も〔AFPBB News〕

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 小沢にとって最も重要なことは健康問題である。果たして、心臓に持病を持つ小沢は長丁場の衆院予算委員会に耐えられるのか。小沢は民主党が政権を取った場合でも、自らの健康問題を理由に、首相就任を固辞するのではないかと依然ささやかれる。

 このところ風邪をこじらせて入院したり、インドのシン首相との会談を体調不良を理由に急遽キャンセルしたことは、「小沢の病気は相当重いのではないか」と健康不安の憶測を呼んだ。

 一部でこれは、政権交代時の首相就任を拒否するための布石を打っているのではないかと勘繰る向きもある。小沢の体調は衆院選前の政局で最も気掛かりなファクターの1つとなっている。

 小沢がシン首相との会談をキャンセルした10月23日、公明党の北側一雄幹事長は記者会見で「小沢に首相が務まるのか」と問われ、「一国の首相は、体力的にも精神的にも強くないと。国民の生命、財産を担っているわけで、本当に体力、気力がなければ続かないポジションだ」と強調した。

 しかし、もし万一、選挙戦前に小沢が倒れて不測の事態が起きた場合、自民党にとっては最悪の選挙結果となることも予想されよう。民主党はそれこそ「火の玉」となって一丸となり、死に物狂いの選挙戦を挑んでくるであろう。自民党は小沢の病状に神経をとがらせている。

「国替え」で揺さぶる小沢

 最後に小沢の「国替え」問題について触れておこう。小沢が地元の衆院岩手4区から転出する国替えの可能性はほとんどないと筆者は見ている。所詮、国替えは公明党に対するブラフ(脅し)なのである。国替え先が公明党の太田昭宏代表の地元である東京12区と流されたのは、公明党・創価学会の動きを封じるための牽制にすぎない。鳩山由紀夫に国替えの可能性を発言させて、小沢は一切これに関して沈黙するという役割分担を行ったのである。

 しかし、以上のことはあくまで常識的な見方であり、決して断定はできない。小沢の胸の内は小沢にしか分からない。

 もし、本当に小沢が東京12区からの出馬を表明すれば、それこそ公明党・創価学会は蜂の巣をつついたような大騒ぎになる。大サプライズである。公明党・創価学会との全面戦争を辞さないという小沢の決意は本物だった、ということになる。

 一時その期待感は大きく高まったが、今はしぼんでいる。小沢自身は次期衆院選小選挙区で自らの公認を決めておらず、国替えそのものも明言していない。最終的にどう決断を下そうと、ぎりぎりまで公明党を揺さぶろうという腹のようではある。