新しい店のオープンに行列を作るのは、日本人の専売特許かと思いきや、さにあらず。ここパリでもそんな光景が見られる。

入店30分待ちのユニクロ パリ オペラ店

長蛇の列ができたオープン当日の様子。建物は1866年のクラシックな建造物

 10月1日、ニューヨーク、ロンドンに続く海外で3番目の旗艦店としてオープンした「ユニクロ パリ オペラ店」の周囲には長蛇の列。

 午後4時の時点で、入店の待ち時間は30分ほど。それでも人々は不服な様子もなく、辛抱強く列の進むのを待っている。文字通り、老若男女、様々な顔ぶれが並んでいる。

 これに先立って、3日前に行われたプレス発表にもまた、たくさんのメディアが詰めかけていた。AFPをはじめとするフランスのジャーナリストはもとより、日本のテレビ局の姿もある。

 会場は新店舗の中。まだ完全に工事の終わらない状態ではあるが、1階、2階部分はすでにほぼ完成して、美しく陳列もされている。これに地下1階もあるから、3層合わせて650坪という実に広々とした売り場面積を誇っている。

日本の良さを世界中に発信したい

ガラスを多用した店内の様子

 天窓から光が入るガラスを多用した空間、林立した回転するマネキン、53台のモニターに映し出される映像、まるで株式市場のそれを思わせるような電光掲示板・・・。

 現代の日本を代表するデザイナーである佐藤可士和、片山正通両氏が手がけた空間の最新の形がここにある。

 「可士和さんとの仕事をするようになって、“コンテンポラリークールジャパン”というものをニューヨーク、ロンドン、パリに持ち込もうということになりました。東京の面白さ、新しさを海外に向けて、しかもユニクロというブランドにのせて発信しようと」

 こう話すのは、グローバルコミュニケーション部の諏訪賢介部長。

 そう聞いて、最近パリの映画館にかかっていたウディ・アレンの最新作「Whatever works」を思い出した。物語の舞台はニューヨーク。そのロケ地の1つとして、巨匠は「ユニクロ」を選んでいた。確かあれは主人公の女性が何気なく買い物をしているシーンだったと思う。