韓国は日本をお手本にして、日本に追いつけ追い越せで突っ走っているとばかり思いきや、日本のはるか先を走っていっているようだ。近い将来の日本の姿を見せられているような気がして怖くなった。『“超”格差社会・韓国~あの国で今、何が起きているのか~』(扶桑社新書)という本を読んだ後の素直な感想だ。

教育費の半分が塾費用、8年前の3倍に膨れ上がった

 まずは子供の受験。日本でも年々受験戦争が激しくなっているが、お隣の韓国は想像を超える。昨年(2008年)、韓国の世帯支出で突出した伸びを示したのが教育費だった。

 その額は40兆ウォン(約2兆8000億円)に上り、そのうち塾にかかった費用だけで19兆ウォン(約1兆3300億円)に達しているという。塾の費用は8年前の3倍にも達している。

 子供たちは学校の自習室で午後10時頃まで自習した後、塾に向かい、午前1時頃に帰宅の途に就く。ソウルのある繁華街では、2次会を終えたサラリーマンたちが目を赤くして集団で帰り始める頃、目の血走った別の集団がぞろぞろとビルを出てくる。

 塾を終えたばかりの中学生たちだ。受験戦争の過熱に、韓国政府は今年、夜10時以降の塾の営業を規制する法案まで考えたとこの本は伝えている。

 昨年来の不景気で就職難になったことも受験熱を煽っている。また、韓国経済も国際化が進み、別な受験戦争も生まれている。海外への留学だ。ソウル大学は日本の東京大学よりも入学が困難なことで知られるが、最近は教育熱心な家庭にはソウル大学では不満で、海外の有名大学へ高校から直接留学するか、あるいはもっと小さい時から海外へ渡り、有名大学を目指す子供が増えているという。

 そうした子供たちは、例えば米国のハーバード大学やエール大学、スタンフォード大学、英国のオックスフォード大学、ケンブリッジ大学などを目指している。

 今から5~6年前、知り合いの韓国人から留学熱のことは聞いたことはあった。「子供と母親が米国に渡り、父親が韓国からせっせと仕送りをするんです」という話に当時、悲しい父親の気持ちを考えて胸を締めつけられる思いだったが、今やそれは珍しいことでも何でもなく、当たり前なのだそうである。

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 例えば、ソウルのある小学校では夏休みが終わった2学期、1つのクラスで突然、10人ほどが学校に来なくなるという事件があったという。

 よく調べてみると、親が子供を連れて海外に留学してしまったのだ。学校に何の連絡もせずに勝手に留学に行ってしまうことから「勝手留学」と呼ばれているそうだ。

 小学校で一度に10人も、しかも同じクラスから留学に出てしまう。どう考えても正常な姿には見えない。もはや韓国の国民は、国家を信じられなくなってしまったのかと思う。まさか日本ではすぐにこんなことは起きないと信じたいが、果たしてどうか。