1日のロンドン市場は、比較的静かな展開になっている。ユーロは序盤に上値を試してユーロドルは1.4553レベルまで上昇する場面があった。しかし、その後は上値を押さえられて次第に1.44台後半へと軟化している。ユーロ円は117円台前半での取引が中心となり、一時117.35レベルまでこの日の高値を伸ばしたが、その後は117円近辺へと上げ一服。3日に予定されていたユーロ圏財務相会合が中止、2日に電話会議、と報じられたことでユーロ売りの反応がみられた。しかし、オーストリア財務省のウィーザー氏がギリシャ支援について発言。ギリシャは新規救済資金で最大850億ユーロを得る、EUと民間投資家が新規資金の70%、IMFが30%を負担、などと述べるとユーロは買い戻されている。引き続きユーロ相場には神経質さが内包されているようだ。ただ、この日は米3連休を前に取引手控えムードもあり、これまでのユーロ高への利益確定の動きもあったようだ。欧州各国の製造業PMIの発表は予想を相次いで下回り、ユーロ相場の上昇を抑えた面もあった。欧州株は小幅高だが、豪ドル円86円台半ば、カナダドル円83円台後半での膠着が続いている。ドル円は相変わらず80円台後半での揉み合い。
◆スイスとポンドは弱いPMIに反応
ロンドン序盤はギリシャ支援が固まってきていることでリスク選好ムードのスイス売りから始まった。加えて、6月のスイス製造業PMIの下振れがスイス売りを誘った。ドルスイスは0.84台前半から後半へ水準を上げた。ユーロスイスは1.22台前半から一時1.2300レベルまで上伸した。その後も1.22台後半で底堅く推移している。
また、ポンド売りの動きも目立った。序盤はユーロにつれて堅調に推移していたポンドだが、6月のCIPS製造業PMIが予想を下回る結果に急落している。ポンドドルは1.6070レベルから一気に1.60割れ、ポンド円は129.80レベルから129.05レベルまで下落。その後の戻りも限定されている。ユーロポンドも一時0.9080レベルと1年3ヶ月ぶりの高値水準へと上昇した。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)