22日のロンドン市場は、英中銀議事録を受けてポンド売りが強まった。日本時間17時半に発表された6月8-9日分の議事録では、政策金利は7対2、資産買い入れ枠は8対1での据え置きだった。焦点となった利上げ主張は、デール、ウィール両委員が25bp利上げに投票、前回の3票から2票に減った。50bpの利上げを主張していたタカ派のセンタンス委員は5月末で退任している。また、昨日のフィッシャー委員の講演で示唆されたように、一部メンバーが資産購入拡大が必要となるリスク指摘、としていた。また、多数派が英経済の低迷が予想以上に長引く公算、との弱気な内容もあった。
ポンド相場は発表前からやや軟調な動きをみせていたが、発表後も一段と売りが強まった。ポンドドルは序盤に1.62台後半まで上昇する場面もあったが、1.61台前半へと下落。ポンド円は130円台半ばから129円台前半へと売られた。ユーロポンドも0.88台半ばから0.89台乗せへとしっかりとした動きになっている。
◆ユーロの上昇は限定的、ギリシャ内閣信任も
東京早朝にギリシャ内閣の信任が報じられた。メルケル独首相など、欧州の要人からは支援への一歩が踏み出されたとの歓迎が表明されている。日本株やアジア各国の株式市場も概ね上昇しており、ロンドン序盤もリスク選好ムードから始まった。しかし、欧州マーケットの反応は思いのほか冷淡となっている。債券市場ではポルトガル債が売られ、10年債利回りが過去最高水準を記録。欧州株も前日並みかやや低下といった動きとなっている。ギリシャにとっては来週の中期財政計画の議会通過が控えるなど、まだ関門がいくつもある。また、NY市場で米FOMCおよびバーナンキ議長の会見を控えていることも取引を手控えがちにさせている。
ユーロドルは1.44台が重く、1.43台後半へと反落。ユーロ円も115円台後半から前半へと往来相場になっている。市場全般にもポンド売りの影響でクロス円がやや軟調に推移するなど冴えない動きになっている。豪ドル円は85円台前半から84円台後半へと水準を下げている。ドル円は相変わらず80円台前半でこう着。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)