ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の米フェイスブック(Facebook)が、ホワイトハウスの元報道官を起用すると複数の米メディアが伝えている。
クリントン政権時代に活躍したジョー・ロックハート氏(51)という人物で、フェイスブックは同氏をグローバルコミュニケーションズ(国際広報)部門の担当副社長として迎え入れる。来年初めにもIPO(新規株式公開)が実施されると言われる中、同社への注目度は高まっている。
とりわけ同社サービスのプライバシーポリシーを巡って規制当局の監視が厳しくなっており、米ウォールストリート・ジャーナルなどは、そうした厳しい調査への対応と、中国市場への進出が今回の人事の狙いだと報じている。
官僚との深いつながりに期待
ロックハート氏は、CNNやNBCニュースなどのジャーナリストを経て、1998年から2000年にかけてホワイトハウスの首席報道官とクリントン元大統領の上級顧問を務めた。大統領の弾劾裁判の際は広報戦略も立案したという人物だ。
また同氏は、大統領選挙のキャンペーンアドバイザーとしても有名な人物で、クリントン元大統領をはじめ、カーター元大統領、ジョン・ケリー上院議員などの選挙運動でも重要な役割を果たしたと米ニューヨーク・タイムズは伝えている。
大統領報道官を辞めた後は政治戦略などについてアドバイスを行うコンサルティング会社を共同設立し、マネジングディレクターの役職に就いていた。
フェイスブックの広報トップであるエリオット・シュレイジ氏は同氏について、「24時間絶え間なく求められる報道への対応、厳しい追及に対処する手腕、そしてコンサルティング会社を設立した経験は我々の成長の大きな助けになる」と述べている。