ほぼ2年にわたって繰り広げられてきたフィンランド・ノキアと米アップルの特許係争に終止符が打たれた。
ノキアは6月14日、スマートフォンなどモバイル端末の技術を巡ってアップルと争ってきたすべての訴訟について、アップルがノキアにライセンス使用料を支払うことで両社が和解したと発表した。
金額についてはノキア、アップルともに明らかにしていないが、米ウォールストリート・ジャーナルなどの米欧のメディアは、アップルが一時金として6億~7億ドル支払うと報じている。
またノキアは特許ライセンス契約に基づいて、今後もアップルからライセンス使用料を継続的に受け取ることができる。
2年に及ぶ攻防戦
この係争が始まったのは2009年。まずノキアが10件の通信関連特許をアップルの「アイフォーン(iPhone)」に侵害されたとして、米デラウェア州の連邦地方裁判所に提訴した。これを受けアップルは、13件の同社特許が侵害されたとしてノキアを訴えた。
するとノキアは、7件の特許が侵害されたとして米国際貿易委員会(ITC)に訴えた。アップルもITCにノキア製品の米国への輸入差し止めを申し立てた。
ノキアの攻撃は翌年になっても続いた。2010年の5月に米ウィスコンシン州の連邦地裁にアップルを提訴したほか、12月には13件の特許侵害があったとして英国、ドイツ、オランダで提訴。
今年3月には侵害されている特許の範囲がさらに広がり、携帯電話、携帯型音楽プレーヤー、タブレット端末、コンピューターと、アップルが販売する事実上すべての製品がノキアの特許を侵害していると主張、再びITCに提訴した。
アイフォーン収益の1~2%
ノキアが今回出した発表資料は大変短いもので、詳細は書かれていない。またアップルは発表資料を出していないため、両社がどのような条件で和解に至ったかは定かではない。
しかし米欧のメディアは、ノキアがライセンス使用料としてアイフォーンの収益の1~2%をアップルから受け取ると報じている。
アップルがアイフォーンの初代モデルを市場投入した2007年6月から、今年1~3月期までの販売台数合計は約1億1000万台。