15日の東京市場は、前日までのリスク選好ムードが後退、特にユーロ安が目立つ展開だった。ギリシャ債務問題を巡る不透明感がユーロを押し下げた。米格付け会社ムーディーズは、BNP、ソシエテジェネラル、クレディアグリコルの仏大手3行を格下げ方向で見直し、と発表した。ギリシャ債の保有が理由、としている。また、英FT紙が欧州委員会の説明文書を引用し、ドイツ政府が支持するギリシャ債のリスケはユーロ各国に最高200億ユーロの負担か、と報じた。これらのニュースを受けてユーロ売りが進み、ユーロドルは早朝の1.44台半ばから1.4405レベルまで、ユーロ円は116円台半ばから115円台後半まで下押しされた。午後には売りが一服したが、ユーロはその他の主要通貨に対しては軟調地合いを続けている。
また、全般的にもリスク選好ムードが後退している。前日NY市場でダウ平均は123ドル高で引けたが、今日の日経平均は前日終値近辺での神経質な揉み合い。上海総合指数は昨日、中国人民銀行が預金準備率を引き上げたことが嫌気されて軟調に取引されている。豪ドル以外の資源国通貨は軟調で、NZドル円は一時65円台半ばまで、カナダ円は83円割れまで水準を下げている。ドル円は朝方に80.64レベルと前日高値を更新したものの、その後は80.40-50レベルでこう着した。また、スイスフランは東京午後に売りが強まっている。あすのスイス中銀政策金利発表を控えて調整の動きとの見方もあった。
◆豪ドル、利上げ示唆で息を吹き返す
豪ドルは、スティーブンス豪中銀総裁の利上げ示唆発言で序盤の下げを消した。東京午前はリスク選好ムードの後退で豪ドル円は86円割れ、豪ドル/ドルは1.06ドル台半ばへと軟化した。しかし、東京昼に豪中銀総裁が講演で、インフレ率は上振れの可能性が高い、物価抑制のために金利上昇が必要、7月のCPIが政策決定にとって重要、と述べた。この発言を受けて豪ドル円は86円台を回復、豪ドル/ドルも1.07台乗せへと上昇した。同総裁は、構造的な変化は中国の景気鈍化でも続くだろう、豪州の自然災害の影響は弱まりつつある、としている。市場では7月27日に発表される豪第2四半期CPIへの関心が高まっている。8月2日の豪中銀理事会での利上げを視野に入れつつあるようだ。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)