「エコカー」が増えても日本のガソリン消費量が減らない不思議 2010.9.27(月) 両角 岳彦 フォロー フォロー中 Tweet この写真の記事へ戻る 図1 燃料油販売と自動車保有台数の動向。国の目標に合わせて、ガソリン、軽油それぞれの1990年販売量を基に、その25%減のラインも入れてみた。ガソリンの消費量は、現状の半分まで減らさないとこの目標には到達できない。一人ひとりが走る距離を減らさないとすれば、それぞれに実用燃費を倍にしなければならないわけだ。 拡大画像表示 図2 ガソリン価格(レギュラーガソリンの全国平均)の推移。全体的な傾向として、1995年頃から2008年前半までのガソリン年間販売総量(前出)のグラフの形は、このガソリン価格のグラフの裏返しになっている。つまり2006~2008年の消費量減少は価格の上昇に連動していたことが明らかだ。2008年前半に1度ドロップしているのは、暫定税率が1カ月だけ廃止された時期。 拡大画像表示 図3 自動車1台当たりの年間燃料油消費量(概算)。前出の燃料油年間販売量を各年の保有台数から、ガソリンは乗用車、軽油(ディーゼル)は商用車と割り切って、「1台当たりの燃料油販売量」を計算してみた結果。 拡大画像表示 図4 月別ガソリン販売量(全国)の推移(2007~2010年)。2009年と2010年はほとんど「重なっている」と言っていい。車両1台当たりの燃料消費量は誤差範囲で変化がない。つまり「お出かけ」が「1000円高速」の継続によって2009年の同時期と同じくらい、増えてはいないとすれば、個々の燃費は改善されていない、と読み取れる。 拡大画像表示 図5 日本だけで長く使われている10-15モードの走行パターン。エンジンやトランスミッション、さらには車両が転がる特性などまで徹底的にこのモードに「合わせ込む」ことが日本の自動車メーカーの常識。1回のパターン、約11分を走る中で排出されたガスを溜めておき、その中の「有害成分」を計量すると同時にCO2、CO(有害成分のひとつ)を計量して、そこから逆算して燃料消費量を求める。つまり試験中に燃料そのものの消費量を測っているわけではない 拡大画像表示