パリでピアノの命を守り続ける日本人調律師

多様なピアノに対応できる高い技術と緻密な仕事でフランス人に厚い信頼を得る「職人」
2015.2.5(木) 岩澤 里美 follow フォロー help フォロー中
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職人気質を受け継ぐ小川さん。「初めのころは張り切り過ぎてミスもありましたが、今はどんなことでも自信があります」。6年半の探究期間を経てピアノ・ハーモニーを設立。ブログは一読の価値あり(著者撮影、以下特記以外も)
1870年製のエラール(かつてのフランス有名ピアノメーカー)。アトリエS.K.H.の木下さんと一緒に難解なピアノの修理もする。「1900年以前に製造されたものは修復不可能な場合もありますが、構造を学べて勉強になります。驚きあり楽しみありです」と小川さん
プレイエル(フランスの有名ピアノメーカー、2013年に製造終了)のピアノ。フランスでは、ピアノは個人の秘密を隠す定番の場所だった。古いピアノからへそくり、ラブレターなどがよく出てくるという。「ピアノは温かみがありますね」と幸せそうな小川さん
意外にもピアノは弦楽器ではなく打楽器だ。(左)弦を叩く部位のハンマーは、ピアノを弾いているうちにくぼみがついてくる。(右)調律師はハンマーを削ってくぼみをなくす(写真:Piano Harmonie)
鍵盤の標準の高さは10ミリ。すべての高さが揃うように調整する(写真:Piano Harmonie)
最近は部品にプラスチックを使うメーカーが増えている。(左)黒い箇所がプラスチック。(右)昔ながらの作りのピアノは、プラスチックではなく木製。プラスチックの消耗とともにピアノの寿命も終わるが、木製なら手入れ次第で半永久的に演奏できる(写真:Piano Harmonie)
ピアノコンサートでは休憩時間にも調律する。一定時間、弾きまくるためだ。それほど敏感な楽器なので、家庭用でも定期的な調律(1年に最低1度)は必須とのこと。フランスの家庭では定期的に頼む習慣がない(写真:Piano Harmonie)
小川さんがいつも持ち歩く工具は、なんと11キログラムもあるそう。1日に数件回ることが多く、様々なピアノに対応できるよう慎重に選定する(写真:Piano Harmonie)
「調律は同じ作業で単調な仕事と言う調律師もいますが、僕はそう思いません。道具とか特殊な薬品とか、学ぶことは常にあります。いかに効率よく、いかによい調律をするか、向上心を持って日々勉強しています」

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