27日の東京市場では、ドルが全面安となった。
前日のNY市場における米指標の弱さにドル金利が下落し、ドル売り圧力が高まる中で、朝からじりじりとドル安の流れに。ユーロドルが1.4130近辺から1.4190近辺に上昇するなどの動きが見られた。
お昼過ぎになって、こうしたドル売りの流れが一気に加速。目新しい材料が出たわけではなく、ユーロドルの1.42越え、ドルスイスでの0.86割れなどの動きに、ストップロスが誘発され、売りが売りを呼ぶ展開となった形。
来週月曜日の英米市場がお休みで、ドル買いポジションに対する調整が入り安い地合であったことも、動きを後押しした形で、ドルは短時間でほぼ全通貨に対して急落した。
ドル円は81円ちょうど近辺の買いもあって、ドル売りが優勢ながら比較的落ち着いた動きであったが、ユーロドルが1.4270台と、朝から150ポイントもユーロ高ドル安となる中でさすがに大台を維持しきれず、80.90近辺まで値を落としていた。
◆NZ主要国格下げも、ドル売りが勝る
NZは主要3行に対するムーディーズによる格下げ観測が市場で流れ、午前に値を落とす展開に。ムーディーズは今年2月に主要行の格付見通しを引き下げ方向に変更。そのとき同時に見通しを引き下げられた豪主要行は先週実際に格付を引き下げられたこともあり、可能性が高い噂としてNZドルは対ドルで0.81近辺から0.8070近辺まで急落した。
しかし、その後ドル全面安の中で下げ分を全て解消し、3年ぶり高値を更新する動きに。
午後になって実際に格下げが発表されたもののドル安傾向の中でインパクトが薄く、NZドルはしっかりとなった。