「中道改革連合」という新党の名称を発表した立憲民主党の野田佳彦代表と公明党の斉藤鉄夫代表(写真:つのだよしお/アフロ)
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(鵜飼秀徳 僧侶・ジャーナリスト)

 立憲民主党の野田佳彦代表と公明党の斉藤鉄夫代表は、両党が合流して結成する新党の名称を「中道改革連合」と発表した。「中道」の名称を巡っては、「聞きなれない」「よく意味がわからない」などという声が上がっている。中道とは仏教用語だが、しばしば「真ん中の道を進むこと」などと誤用されている。

 宗教用語を政党名にする例は過去にはあるが、政教分離をとなえるわが国において、どこか違和感を生じさせるのも確かである。この「落ち着きのなさ」はどこからくるのか。本当の「中道」を解説する。

 憲政史において仏教用語を政党名にした例は、いくつかある。戦後初の第22回衆議院議員選挙(1946年4月)は、20歳以上の男女に投票権が認められた初の選挙でもあった。翼賛体制が崩壊し、日本自由党、日本進歩党、日本社会党、日本協同党、日本共産党といった主要政党のほか、無数の小政党が乱立した。

 この選挙における党派名の一覧を見ると、宗教用語を冠した政党が複数確認できる。「日蓮党」「日本仏教党」「立正日本党」「仏教党」といった名称が挙がっている。さらに興味深いことに、「中道会」という党派名も出現していた。今回の「中道改革連合」で使われた「中道」という党派名は、戦後の政党乱立期にすでに一度、出現していたのだ。

 社会の再編期には、政治の正統性を「精神」や「宗教」に求めることがしばしばある。1946年の党派名リストには「世界平和党」「万国博愛党」といった党名が並ぶ。敗戦直後の混乱期にあって、「平和」「博愛」「仏教」といった党名に、新たなる価値を見出したのであろう。

 野田代表は新党「中道改革連合」の名称について、自身のXでこのように説明している。

「『中道』とは、国やイデオロギーに人が従属するのではなく、個人の尊厳を守っていく人間中心主義の理念。右にも左にも偏らない、ど真ん中の政治で、生活者をど真ん中に据える政治を実現する」

 また斉藤代表は記者会見で、「分断と対立が続く世界の中にあって国際協調主義、友好関係を保つ、そして日本の経済の安定と平和を保っていくということが中道だ」と述べた。ロゴの青も両党が用いてきた青の「中間色」を使用したという。