グループLINEが好きではない人は意外に多そう(写真:當舎慎悟/アフロ)
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(若月澪子:フリーライター)

 東日本大震災をきっかけに誕生したというLINE。このサービスが生活インフラとなってから10年以上が経過している。今やLINEは、家族、友人、職場、PTAから町内会まで、あらゆるネットワークの通信手段として欠かせない。

 ただし連絡手段としてLINEだけを使っているという人は、実は少数派なのではないか。 たとえば、ビジネスマンのおじさまは、メールやFacebookメッセンジャーなどとの併用率も高い。LINEはどちらかというと「女、子ども」の通信手段で、プライベートなシーンで利用する人が多いように感じる。

 しかし近年、高齢者を含めたおじさま、おばさま世代のLINE利用が急速に拡大している。そしてLINEにおける中高年層の参入が、各地でちょいとした混乱を招いているようなのだ。

「グループLINEがうざい。高校時代の同級生で同窓会をやることになり、グループLINEに入れられた。メンバー数は100人規模。そうなると矢継ぎ早にコメントが来て、メッセージの未読が200件とかになる」

 こう話すのは自営業のAさん(50代)。LINE生活の中で、しばしばストレスとなるのがグループLINEである。1対1の会話ではなく、3人以上の複数の人数でグループを作り、会話ができる機能だ。ところがAさんの言うように、とんでもない人数が加入するグループLINEができ上がることがある。

 Aさんは最近までこうした大規模グループLINEに参加することがほとんどなかったため、この「ムラ社会」に衝撃を受けたようだ。

「LINEが次々と来るから休日も休めない。いちいち反応するのもばからしい。そもそも、一部の人間だけが盛り上がっていて、何の話をしているのかもよくわからない」

 AさんはグループLINEに負担を感じ、同窓会に行くことをやめてしまったという。同じような理由で仕事を辞めてしまった中高年女性もいる。

「私が勤めていたパートは、グループLINEで勤務管理をしていました。そこに加入している人は20人強。『明日、誰かシフトを変わってください』『私は入れません‼』『私も難しいです』『私、大丈夫』『ありがとう』『○○さん、助かります』『さすがです』『ありがとう…』『ありがとう』こんな連絡が次々と来て、それをいちいち確認するのがうっとうしくなり、1カ月で仕事を辞めました」

 こう話すのは50代のB子さん。AさんやB子さんのように、グループLINEの鬼通知にうんざりする人の話には枚挙に暇がない。