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 JBpressのYouTube新番組「頼藤・日南のMoney Survivor」がスタートします。Money&You代表でマネーコンサルタントの頼藤太希さんが講師となり、ボーカリストとしてMCなどでも活躍する日南結里さんと一緒に、お金にまつわる人生の修羅場を乗り越える知恵とスキルを学んでいきます。

 シーズン1「年金編」の第1回は、年金制度の基本を解説。この夏の参議院選挙で重要な争点の一つになる年金制度改革ですが、SNSでは「厚生年金が奪われるのでは?」などと心配する声もあがっています。そもそも、日本の年金制度はどういう仕組みなのか。今さら聞けない年金制度の基本をわかりやすく解説します。

※JBpress公式YouTubeの新番組「頼藤・日南のMoney Survivor|年金編」では、グラフや表などを使ってわかりやすく解説しています。ぜひ、YouTubeでご覧ください(収録日:6月25日)。

「現役世代が受給世代を支える」仕組みとは?

頼藤太希:最近、年金制度改革法案の成立を受けて、SNSなどで「厚生年金が奪われる!」という声を目にした人も多いのではないでしょうか。

日南結里:そうなんです。老後がさらに心配になってしまいました…。でも、そもそも厚生年金や基礎年金の仕組みがどういうものか、あまり理解できていません。

頼藤:年金制度が複雑で理解するのが難しいのが、誤解を招く原因なんです。一緒に、年金制度の基本について、勉強していきましょう。

 まず、日本の年金制度は「賦課方式」と言い、現役世代の保険料をもとに、年金生活者の年金に充てるという構図になっています。

(写真:years/イメージマート)

日南:保険料は、将来の自分のために払って積み立てているのだと思っていました…

頼藤:自分が納めた保険料に応じて将来もらえる年金額は決まりますが、自分のために積み立てているわけではありません。

 賦課方式を採用している理由としては、物価の変化もあります。インフレ率と基本的に連動する現役世代の給与から保険料を納めることで、物価を反映した年金額を受け取ることができます。

 年金は社会全体が世代を超えて支え合う仕組みです。この土台を知っておくと、先ほど出た「厚生年金が奪われる」という話も違った見え方になります。

日南:そもそも、厚生年金とは何でしょうか。国民年金とはどう違うのですか。

頼藤:まず、日本の年金制度は公的年金と私的年金に分かれていて、「3階建て」の制度になっています。

 まず1階部分が全ての国民がもらえる「国民年金(基礎年金)」。そして2階部分が会社員・公務員がもらえる「厚生年金」。この1階と2階が公的年金で、3階は自助努力で積み増す私的年金になっています。日本の年金制度は公的年金が「賦課方式」で、自助努力の私的年金が「積立方式」のハイブリッドになっています。

日南:つまり会社員は1階の国民年金(基礎年金)と2階の厚生年金の両方に加入しているということですね?

頼藤:そうです。そして最近問題になっている年金改革で「厚生年金が奪われる」という声が上がっているのは、この2階の厚生年金の積立金の一部を、1階の基礎年金に充てようという話がもとになっています。

日南:えっ!? じゃあ、会社員が払ったお金が、国民年金しか入っていない方たちに流用されるってことですか?