
展望台に設置されている望遠鏡の近くは、人の多く集まる場所です。そこに、待ちかまえていたかのように三毛猫がいました。声をかけると、「ここで休むでしょ。座って眺めるといいよ」と、ベンチの上に飛び乗り、寝そべりました。

「そうね、ここで休憩するのもいいね、空気が美味しそうだし」と腰かけると、すぐに膝の上に乗ってきて、寝てしまいました。膝の上が狙いだったのか。
その後、隣に座ったおじいちゃんが三毛猫に声をかけると、猫はおじいちゃんの膝の上に移動しました。
「この猫と知り合いなのですか?」。「あぁ、どこの猫なのか知らんが、だいたい毎日ここで顔を合わすよ。この場所が好きなんだろう。わたしといっしょだ」。そう言っておじいちゃんは、三毛猫を軽くぽんぽんとさわりました。

展望台から町へ戻り住宅地へと入っていくと、なだらかな上り坂が続いていました。ゆっくりと坂を上っている猫がいたので急いで近づいたのですが、犬でした。