(写真:ロイター/アフロ)
米アマゾン・ドット・コムの2024年10〜12月期決算には、これまでにない様々な「過去最高・最大・初」があった。少なくとも8つ確認できた。
売上高は前年同期比10%増の1877億9200万ドル(約28兆4200億円)、純利益が88%増の200億400万ドル(約3兆300億円)となり、いずれも四半期として過去最高を更新した。8四半期連続の増収増益、7四半期連続の2桁増収。営業利益は61%増の212億300万ドル(約3兆2100億円)で過去最高益だった。
売上高はアナリスト予想と一致し、純利益は予想を上回った。アマゾンの四半期売上高は米小売り大手のウォルマートを初めて上回り、米企業で最大となる見通しだ。米CNBCによれば、ウォルマートは2025年2月20日の決算発表で、1800億ドル程度の四半期売上高を報告するとみられている。
現時点で、四半期売上高が1000億ドル(約15兆1300億円)に達する米企業はごくわずかしかない。ウォルマートとアマゾンに加え、 米アップルもこの大台を超えた企業だ。先ごろアップルが報告した2025会計年度第1四半期(24年10〜12月期)の売上高は1243億ドルだった。
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また、アマゾンの2024年通期(年間)売上高は、6379億5900万ドル(約96兆5400億円)となり、初めて6000億ドルを超えた。
ただ、アマゾンが併せて発表した2025年1〜3期の業績見通しは、アナリスト予想に届かなかった。同社が2025年に計画している1000億ドル超の設備投資も好感されず、アマゾン株は決算発表日の米株式市場の時間外取引で終値から一時5%下落した。
広告事業は過去最高の2.6兆円
アマゾンの2024年10〜12月期における事業別売上高は、直営のネット通販事業が前年同期比7%増の755億5600万ドル(約11兆4300億円)。年末商戦が好調だった。
外部出品者からの手数料収入や出品者向け物流サービス収入は9%増の474億8500万ドル(約7兆1900億円)、有料プログラム「Prime(プライム)」の会費などサブスクリプション(定額課金)収入は、10%増の115億800万ドル(約1兆7400億円)。
傘下の「Whole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)」や直営の「Amazon Fresh(アマゾン・フレッシュ)」などの実店舗事業の売上高は8%増の55億7900万ドル(約8400億円)だった。
一方、自社の電子商取引(EC)サイトやECアプリ内で展開するネット広告事業は絶好調だ。その売上高は18%増の172億8800万ドル(約2兆6200億円)となり、過去最大となった。7四半期連続で100億ドルを超えた。