予想外に訪れるのがバブル崩壊

 他国に対する驚異的なアウトパフォーマンスは、米国で成長が減速するか他の主要国で成長が加速する場合、あるいは予期せぬ理由で終わる可能性がある。

 往々にして、それがバブルが終わる形だ。予想外に訪れるのだ。

 世界市場における直近2つのバブルは、新規供給の急増を受けて2011年に弾け始めたコモディティー(商品)バブルと、不動産業業界に対する政府の締め付けのさなかに2021年に崩壊した中国の成長バブルだ。

 トレンドは長く続けば続くほど、投資家は自信を深め、より無差別にバブルに向かって買い進むようになる。

 バブル後期のステージでは、株価は一般的に急な放射線を描くようになる。

 そして過去6カ月間で、米国株は少なくとも過去4半世紀には一度も見られなかった大差で他国の市場をアウトパフォームした。

 これほど薄い大気中を飛んでいる時には、大きな問題がなくてもエンジンが失速する。

 極端な価格とバリュエーション、投資家心理の典型的な兆候すべてが、終わりが近いことを示唆している。

 今こそ「米国例外主義」が崩れる方に賭けるべき時だ。

By Ruchir Sharma(ルチル・シャルマ氏は米ロックフェラー・インターナショナル会長)