急激に強まる政府債務への依存

 だが、どんなヒーローにも必ず致命的な欠点がある。

 米国の欠点は急激に強まる政府債務への依存だ。

 筆者の計算によれば、米国の国内総生産(GDP)成長を1ドル追加で生み出すために2ドル近い新規の政府債務が必要になっている。

 わずか5年間で50%増えた計算だ。

 米国以外のどこかの国がこのような支出をしていれば、投資家が逃げ出すだろうが、投資家は今のところ、世界一の経済大国かつ準備通貨の発行国として米国は何をやっても許されると考えている。

 むしろ可能性が高いのは、来年のどこかの時点で投資家が怯み、利息の引き上げか財政規律を要求することだ。

 その引き金はさらに多額の財政赤字かもしれないし、さらに大きな米国債発行かもしれない。

 こうした投資家の要求を受け、米国は少なくとも一時的には政府支出への依存を下げるようになり、その結果として経済成長と企業収益を損なうことになるだろう。