少しあとにこの店の前を通ると、商品受け渡しの窓が開いていて、猫はしっかり愛想よくしていました。ブータンの多くの店は、買うものをオーダーして窓口で受け取る方式なのです。

 女性僧侶が営む茶店です。自宅の玄関から続く部屋を、誰でも立ち寄れる場所として開放しているのだそうです。話がしたい時に立ち寄ったり、休憩でお茶を飲んだり。手芸用の布や手作りの巾着袋なども販売していました。商品を勧めるように、猫がちょこんと色鮮やかな布の上に座りました。

 お客の女性がお茶を注文して腰かけると、別の猫がやってきて女性に寄り添いました。わたしはハーブティーをいただきました。ブータンで採れるハーブの香りが漂い、いい感じのサロンだなあと落ち着けます。

 別の商店から現れたあどけない表情の猫は、生後4~5カ月くらい。虫でしょうか? じっと何かを見つめて近づいていきますが、視線の先にはなにも見当たりませんでした。