米パソコン大手のヒューレット・パッカード(HP)とデルが18日、2~4月期の決算を発表した。HPは先の報道の通り、消費者向け製品が振るわず、パソコン事業の売り上げが94億ドルと、1年前に比べ5%減った。法人向けパソコンが同13%増加したが、消費者向けが23%減少し、全体の足を引っ張った。
HPのレオ・アポテカー最高経営責任者(CEO)兼社長は決算発表後の電話会見で「消費者パソコンについては慎重な見方をしていたが、予想以上の落ち込みだった」と話している。
パソコン分野でイノベーションが停滞
米ニューヨーク・タイムズは、HPやデルのようなパソコンメーカーは、景気が脆弱な状況下で、移り気な消費者の影響を受けやすいと伝えている。
景気が緩やかに回復する中、消費者の財布のひもは依然固いが、米アップルのタブレット端末「アイパッド(iPad)」はよく売れている。
アナリストらはこの現象について、「消費者向けパソコン販売が低迷しているのは、景気だけのせいではなく、パソコン分野でイノベーションが停滞しているからだ」と指摘している。
HPも先頃、パーム(Palm)のモバイル基本ソフト(OS)搭載タブレット端末「HPタッチパッド(HP TouchPad)」を発表しているが、発売予定は今年の夏。同社がタブレット人気の恩恵を受けるのはまだ先になりそうだ。
見劣りするHPの決算
HPが発表した2~4月期の売上高は316億ドルで、1年前から3%増加した。純利益は23億ドルで、1年前の22億ドルから5%増加した。
しかし、アップルのほか、米インテル、マイクロソフトなどが軒並み2桁の増収、増益を報告する中、HPの業績は見劣りすると言われている。
一方、デルが同日発表した決算は、売上高が1年前に比べ1%増の150億ドル。純利益は9億4500万ドルで同177%増と、約2.8倍になった。