東京・国立競技場で行われたNTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 プレーオフトーナメント決勝。クボタスピアーズ船橋・東京ベイが埼玉パナソニックワイルドナイツに勝利した(2023年5月20日、写真:アフロ)

 日本代表は惜しくも決勝トーナメント進出を逃したものの、ラグビーワールドカップ2023フランス大会の熱戦に列島が沸いた。その熱が冷めやらぬ12月から、国内最高峰「リーグワン」の3シーズン目が始まる。ワールドカップで活躍した海外スター選手も続々リーグワンのチームに加わり、さらなるレベルアップが期待される。しかし、リーグワンのファン層はまだ十分に広がっていない。過去2シーズンの1試合あたりの平均観客数は当初目標の数字「1万5000人」とは1万人近いギャップがある。リーグ側はどんな課題を抱えているのか、打ち手はあるのか。事務方トップであるリーグワン専務理事の東海林一氏にファン獲得の戦略を聞いた。(竹林 徹:ライター/メディアディレクター)

「まだまだ」新規ファンの獲得が不十分

――リーグワンの観客数は伸びてはいるものの、当初目標としてあった数字「1万5000人」とは大きなギャップがあります。

東海林一氏(以下、敬称略) 1シーズン目の約4200人から、2シーズン目が約5700人と1試合の平均観客数は着実に増えてきていますが、われわれとしても「まだまだ」という課題感は持っています。新しいファンの開拓が十分にできていません。リーグの認知度をさらに上げ、ラグビーの魅力を伝えていく。その上で実際にスタジアムに足を運んでいただく仕組みを作っていきたいと考えています。チケットが買いにくいという問題もこれまでありましたが、今シーズンからチケッティングシステムをリニューアルして手を打ちました。

 今年ワールドカップがあったことは好材料です。大会で活躍した海外選手が数多くリーグワンのチームに加わり、日本人選手と融合し素晴らしいチームを作り上げています。そういったことを知っていただくためにも情報発信にはさらに力を入れていきたい。発信においてはラグビーそのものだけでなく、選手のパーソナリティなど周辺のストーリーや魅力も伝えていく。ここはSNSで頑張っています。

リーグワン専務理事の東海林一氏