11日のNY市場はリスク回避の動きが強まり、ユーロや資源国通貨は売られ、円相場は円買いの動きが強まった。東京時間に発表されていた中国の経済指標が冴えない内容だったことなどで、原油が再度急落し、NY株価も軟調に推移していたことから、市場全体にリスク回避の雰囲気が再燃している。ユーロ円は一時114円台、豪ドル円も86円台前半まで一時下落する動きとなっている。
一方、ドル円も序盤は81円台から80.70近辺まで下落していたが、ドル買いの動きもあり、終盤は下げを戻す動き。下に往って来いの展開となった。

リスク回避の雰囲気は根強く、これまでのポジションの調整が続いている。流れが完全に変化したとまでは、まだ思えないが、もうしばらく不安定な動きが続く可能性も高い。

◆ユーロドルは4月18日以来の1.42割れ 欧州債務問題も懸念根強い
ユーロドルも見切売りが止まらず、4月18日以来の1.42割れとなった。シンクタンクからのギリシャ支援に関するレポートも話題となっているとの指摘も聞かれる。具体的な内容ははっきりしないが、財政再建に対して、かなり強固なコミットをギリシャが受け入れない限り、支援はないといった内容のようだ。ユーロが弱くなると、欧州債務問題は蒸し返されるようだ。

目先の下値ターゲットは4月11日安値1.4155付近。1.41台半ばの水準は今年1月から直近高値までの上昇波の38.2%戻しの水準が控えており、尚且つ、ボリンジャーバンド下限も控えている。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)