3月17~18日の2日間開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)は、検討課題になっていた長期国債購入を向こう6カ月間に最大3000億ドル規模で行うことなど、一連の追加緩和措置を決定した(全員一致)。ダドリーNY連銀総裁らが長期国債購入に慎重な意見を口にしていたため、市場にとってはサプライズ。これを受けた米国市場は、債券高・ドル安・株高の展開。米国債は一気に買い進まれて、前日終値が3.01%前後となっていた米10年債利回りは、一時2.47%まで、0.5%を超える幅で急低下した。ドルは金利低下を嫌気して売り込まれ、対ユーロで1.35ドル前後まで急落。対円では95.66円をつけた。NYダウは、FOMCの大胆な決定を好感して続伸した。NY連銀は18日、FOMCで決定された長期国債購入は、2~10年債に焦点を当てて、平均で週に2~3回、競争入札方式で実施されることを明らかにした。物価連動債(TIPS)も対象となる。

 FOMCはこのほか、すでに実施している政府支援法人(GSE)保証の不動産担保証券(MBS)買い入れ規模を従来の最大5000億ドルから最大1兆2500億ドルに7500億ドル上積み、GSE債の買い入れ規模を最大2000億ドルに倍増するといった措置を決定した。また、年0~0.25%のFFレート誘導水準に付加されている「緩やかな時間軸」の表現を、前回までの「しばらくの間(for some time)」から、「より長い期間(for an extended period)」へと、声明文上で強化した。

 今回のFOMC声明文のうち、景気・物価に関する部分を前回1月28日分と比較すると、以下のようになる。

【景気】~すべての需要項目についてネガティブな記述。「今年遅くに景気回復」の見通しを削除

(1月28日声明文)
Information received since the Committee met in December suggests that the economy has weakened further. Industrial production, housing starts, and employment have continued to decline steeply, as consumers and businesses have cut back spending. Furthermore, global demand appears to be slowing significantly. Conditions in some financial markets have improved, in part reflecting government efforts to provide liquidity and strengthen financial institutions; nevertheless, credit conditions for households and firms remain extremely tight. The Committee anticipates that a gradual recovery in economic activity will begin later this year, but the downside risks to that outlook are significant.

 (12月FOMC以降に入手された情報は、経済が一段と悪化したことを示している。消費者と企業が支出を削減する中で、鉱工業生産、住宅着工、雇用は鋭角的に減少を続けた。加えて、世界の需要は顕著に減速しつつあるようである。いくつかの金融市場の状況は、部分的には流動性を供給するとともに金融機関を強化しようとする政府の努力を反映して、改善した。しかしながら、家計や企業に対する信用状況は極端にタイトなままである。今年遅くには緩やかな景気回復が始まるものとFOMCは予想しているが、そうした見通しに対するダウンサイドリスクは大きい)

(今回)
Information received since the Federal Open Market Committee met in January indicates that the economy continues to contract. Job losses, declining equity and housing wealth, and tight credit conditions have weighed on consumer sentiment and spending. Weaker sales prospects and difficulties in obtaining credit have led businesses to cut back on inventories and fixed investment. U.S. exports have slumped as a number of major trading partners have also fallen into recession. Although the near-term economic outlook is weak, the Committee anticipates that policy actions to stabilize financial markets and institutions, together with fiscal and monetary stimulus, will contribute to a gradual resumption of sustainable economic growth.

 (1月FOMC以降に入手された情報は、経済が縮小を続けていることを示している。雇用喪失、株式と住宅の資産価値減少、タイトな信用状況が、消費者のセンチメントと支出に対して重石になった。さらに弱い売り上げ見通しと信用供与を受ける困難さは、企業が在庫投資や設備投資を削減することにつながった。米国の輸出は、多くの主要な貿易相手国もまた景気後退に陥る中で、低迷した。短期的な経済見通しは弱いものの、金融市場と金融機関を安定化させる政策行動が、財政および金融政策による刺激と相まって、持続可能な経済成長の緩やかな再開に寄与するものと、FOMCは予想している)